仕事を続けるために考える。ハンドメイドを選んだ理由
私はこれまで8ヶ所の会社や施設で働いて辞めてを繰り返していました。
重いテーマだなぁ。と思った方は私の最近作ったアクセサリーだけ見てブラウザバックOK!
↑これは自分用につくったノンホールピアスです。
色合いやひとつひとつ手で巻いた針金と大粒のガラスストーンが気に入っています。
そのうち商品化もします!
さて長い話ですが、とりあえず過去に働いたことのある会社の数をお伝えしました。一般的には多い方だと思います。学生時代のアルバイトや短期の仕事を含めるともっとあります。
8ヶ所と言っても、正社員として働いたのは最初に勤めた会社ただ1つでした。
あとは「絶対に二度と正社員になんてなるものか」という強い意志のもと仕事探しをしておりましたので、アルバイトやパート、派遣、臨時労務員なんかをまたにかけてきました。
私の特徴のひとつですね。出会って何日かして知られる事実で結構驚かれるのがいろいろな職場を転々としているということです。
私としては全ての仕事にはじめた理由があり、またやめざるを得なかった理由があるので何も驚くことではないと思っていますが、誰かに「100ヶ所で働いたことがあります」と言われたらさすがに驚きます。
ただ今まで2~3ヶ所でしか働いたことがない方や、初めて勤めた会社で定年退職まで働きあげた方からすると8ヶ所も100ヶ所も変わらず疑問に思うところがあるのかもしれませんね。
仕事を辞めることへの躊躇は?
色んな理由でたくさんの職場をあとにしてきましたが、ほとんどの理由が気分転換のためです。
なにをそんな簡単にいってくれるんだ!
そう思う方もいらっしゃるかもしれません…。
しかし私は仕事を辞めることをネガティブに捉えてはいません。初めて勤めた会社を辞めるときでさえ、晴れやかな気持ちしかなく、躊躇はありませんでした。
どの仕事も辞めると決めた理由は喜ばしいこと(結婚や出産、スキルアップなど)ではありませんでした。
今も働いている方には失礼に聞こえるかもしれませんが、そこにいると気分が悪くなってしまうんです。これは会社ではなく私の問題であり、私の考え方に問題があるのです。ただ心の奥底からそこにいてはいけないと感じていました。
体が駄目になる、心が擦れていく…じゃあどうするか。
私は仕事を日常生活から切り離すことができず、旅行に行ったり、ちょっとしたストレス発散では解決できません。
環境そのものを変えなければ…そう思ったら仕事を変えることが気分転換と原因の解消が同時にできる最良の術だと思いました。
そこで頑張ろうと思わないの?
環境を良くしようと思わないの?
思わないですね。
自分がどうしてもなりたかった職業と言う訳でもない限りしないです。
それは自分の心を守るためです。諦めたり線引きをすること、それこそ逃げることは抱え込み過ぎない・悩みすぎないために最初の仕事で覚えたことでした。
なんのために仕事をしているのか分からなくなった時が、潮時だと思っています。
もちろん辞めた後のことは不安も…
次の仕事どうしようか…
みつかるかな…
変な会社だったらどうしよう…
…いや、そんな風に思ったことは一度もありませんでした。
その時どんなに仕事が見つからなくても現状がとてつもなく追い詰められているなら、その状況より悪くなることなんて想像できないですよね。
それには失敗したことがなんなのかはっきりさせること。同じことを繰り返さないぞという意気込みをもつことも大事だったのではないでしょうか。そして失敗してもまた辞めればいいと思っていましたし。(こっちの方が大きい)
そう思うことで辞めるタイミングを逃さないでこれたし、救われてきました。
仕事選びで譲れないもの
最初の会社を辞めたときの「絶対に正社員になんてなるものか」という気持ちは、職場を転々とする度に信念となりました。
正社員制度が悪いわけではないですし、幸せな正社員さんもいっぱいいます。いい会社もたくさんありますしメリットもあります。特に金銭面。
ただ”私が”できない”私が”なるべきではないとずっと感じてきました。
納得できないことに従えないんです。
正社員についてはネガティブな話になるのでおおまかに言わせて頂きますが、そういうことです。
アルバイトやパートとして働いてきたのでずっと最前線にいる訳です。
どこの職場も本社と支社、本社と店舗には温度差があるなんてことはよくある話ですよね。
でも私はそれが許せなくて…。
正社員として、最前線で働いてくれている人たちに納得できないことをさせたり、時には上から言われたことを守らないでアルバイト・パートさんたちのやりやすい方を勧めたこともありました。
それが苦しかったんですよね。
私の判断で、私のやり方で喜ばせたい。
働き始めて10年間、ずっとそう思ってきました。そしてそれを誰にも強要はさせたくない。
もしかしたらどこかにあるかもしれない理想的な会社を、いつしか探すのも疲れてしまいました。
そうしたら、自分でそういう会社をつくればいいんだ。そういう考えに至りました。
知識も役立つ資格もない私は誰かから何かを仕入れてそれをうまく売り捌いたり、聞いたこともないシステムを思いついてそれをサービスにかえることもできません。
自分で生み出したものをできるだけ多くの人に好きになってもらうお仕事
今の私ができる事を一生懸命考えた結果、この答えに辿り着きました。
ハンドメイドで作ったものを、売る。
ハンドメイド販売の仕事は端的に言うとそういうことです。けれどそれだけでは継続していけなくて、世話をしなければ育たない存在というのが私の認識です。
それはハンドメイド販売に限ったことではないと思いますが、人気のある作家さんは作品に対する愛情がとてつもなく大きい。生み出してからも手間を惜しまず手をかけているのがハンドメイドだとわかりやすいのです。テクニックがあるかはおいといて、まずその資質があることが第一なのだと。
その手間や時間・愛情をかけられるのか?自分に当てはまるかを考えてみます。
人生で初めて作ったものはなんだったか覚えていませんが…小学生のときから作ったもの全てに愛情を感じていました。
自分はそこになら愛情を注げる。誰かが作ったものじゃなくて、誰でも作れるようにシステム化された商品じゃなくて、自分が作ったものになら。世界にひとつしかないものを作りたいという想いも、作品をよく見せるように工夫することも、たくさんの人に見てもらいたいという気持ちもハンドメイド作品を販売する人物としてこれ以上ない適正ではないですか。
「ビジネスなのだからそれだけでは食っていけないよ」
周囲の人間に話したらきっとそう言われるのは確定でしょうね。ただそれは新しいことを始めた人を見ると反射的に言っておかないとと思う人間の癖というか防衛本能みたいなものですから気にする必要はありません。
たくさんの仕事を辞めてきた私が自分に対してアドバイスするなら
“続けられる理由がある”ことこそがその仕事を選ぶ上で最も重要だと言えます。
私にとってはそれが、「自分で作ったものをたくさんの人に好きになってもらうことに心血を注ぐ情熱がある」ということです。
全てのことは無駄にはならない
辞めることになってしまった職場も、仕事も経験してよかったということだけは言っておきます。
続けられることを探しながらも、逆に続けられないことがなにかを教えてもらえました。
出会ってくれた方々も、仲良くなってくれた人も、疎遠になってしまった人も…感謝。
働くことの楽しさを、今もこうして失くさないでいられるのは、皆さんのおかげです。
どれだけ苦しいことがあっても、やっぱり楽しかったからまた次の場所で、次の場所でもと働こうと思えています。
そんなみなさんにいつかハンドメイド作家として再会できる日がくることを祈って。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。